マインド・生活習慣

受験生タイプ別 精神状態と対処法【合計得点 25~35点】

受験生タイプ別 精神状態&直前対策チェックテスト」の点数が25~35点の方に向けたコラムです。

このタイプに当てはまる君は、とにかくムダが多い。
いつも勉強しようと机の前に座ってノートや本を開いているが、いまいち能率が上がらない。
ただし、机からは基本離れない。
いつも勉強に手をつけながら、ちょっとでもつまずいてわからなくなると、スマホを持ってしまう。
そして気がつくと1時間。
それからまた慌てて勉強をし始めるのだけど、テンションが下がっているので、あまりエンジンのかかりが良くない。
それでも机の前からは離れない。

ところが、結局はさして集中して勉強しているわけではないのに、本人にはその自覚がないのです。
何となくでも机に座っていることが多いので、周りの人間にはいつも熱心に勉強をしているようにも映っています。
確かに、一見すると非常に真面目に見えるわけです。
だから周りだけでなく、このカテゴリーに属する人間の中には、自分自身も、「私は勉強をしている」と錯覚して主張するタイプが多いのです。

自分で錯覚しているから、このタイプは厄介です。
自分では一生懸命にやっていると思い込んでいることも多いのです。
そういう人は、自分の考え方、勉強に対する姿勢を改めようとはしません。

ところがその人の成績を年間通して見てみると、ほとんど上昇していません。
つまり、実力はまったく向上していないのです。

そのことを本人にこんこんと言ったとしても、自分のダメな点に自覚がないから自分のやり方を変えようとはしません。
むしろ、そう諭す教師などに不信感を募らせてしまうのです。

こんな学生もいました。
女子学生です。
彼女は、父母会で両親もいるところで「私は勉強しています」とはっきりと主張しました。
「それでも成績が上がらないから、自分でもどうしていいかわからない!」と泣き出す始末です。
それならば先生や周りの人の意見に耳を傾けそうなものですが、意外とこういう人は他人の言うことを聞かない。
そして何回模試を受けても、偏差値50~55で止まっている。

この手の学生のどこが間違っているのか、成績の伸びている学生とどこが違うのだろうか。
この手の学生の授業中の様子を観察してみるとよくわかります。
初めは確かに、先生の話をしっかりと聴いています。

ところが先生が説明後、「ここが大事なんだよ」と言った時には、もうその先生を見ないで自分のノートをペラペラめくっている。
続けて観察をしていると、他の学生と比べて、先生がしゃべっている時に集中があまりできずに、自分のノートや参考書を見始めていることがわかります。

そのことを授業後に指摘すると、たいがい、「あそこはわかっているところだったので、次のところを見ていたのです」という答えが返ってきます。
すごく正しいことを言っているように聞こえます。
そうか、ならば仕方ないかなと思いかけてしまいます。

でも実はそうではない。
多浪生になるほど、こういう症状が多くなってきます。
「そこは知っているから」というのが一番の曲(くせ)者ものなのです。
ほとんどの場合、知っていたとしても6~7割に過ぎない。
それがせいぜいです。

6~7割しかわかっていない、理解していないのに、わかった気になって、早く先に進みたいと思っている。
次の問題を解きたいと思うタイプなのです。

さらに言えば、まったくわからない問題を解きたがるという特徴もあります。
結果としてどうなるか。
目下の問題も、先の難問も、どちらも身につかない。
知識として定着しない。
何かしら勉強した、わかったような気がするという自己満足だけで過ごしているわけです。

繰り返しますが、本人が知っていると思うところの得点はせいぜい60点くらいで、難問は解けないし、たとえ解けたとしても、その難問と同じ問題が出題される確率は10万分の1がいいところです。
多少は解けたとしても、加点はせいぜい5点。
だから合計点は65点にしかならない。
これでは成績は上がりません。

典型的な空回りです。
ではどうすればいいのか。
方法は簡単です。

これまでに習ったことをもう一度全部自分の前に並べて、「最初から覚え直せ!」ということに尽きます。

先ほど紹介した女性は、何とかそうした自分の真実の姿に気がついて、そこから脱却したことで、1年後に見事に医学部に合格しました。

こういう受験生に限って「わからない!」と頭を抱えて泣き出すのです。
どうしていいかわからない。
1カ月前になってもそうです。
この女性は6浪していました。
自分の中では何となく100%やっているから、これ以上、何をしていいかわからなかったのです。

そんなふうに、いつも、まあまあな勉強をしているのが君です。

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