あえて暴論を述べましょう。
立場を忘れるのであれば、ストレートで大学に受からないほうがその子のためになる。
人間形成もできずに、甘い職業意識を持ったままで、楽をして医者になってしまえば、正直、ろくな医者にはならない。
むしろ「失敗しろ」と思う場合もあります。
苦労は自ら買ったほうがいい、買わなくてはいけないものなのです。
まあ、「失敗しろ」は言いすぎでも、とにかく「苦労を厭うな」は口癖になっています。
全体の1割という引きこもりなどの問題児(もっとも、その子よりも親のほうに問題がある場合が多いのは説明してきたとおりですが)、また下地がないので、合格は1年では到底、無理という子供たちのことについて中心に語ってきましたが、優秀な子も優秀な子で、問題はあるものです。
これも面接の練習ですぐに明らかになります。
よく言う口癖は、「君はこんなに成績がいいのに、なぜ物事の一面しか見ないのだ?」というものです。
多くは人間性の問題です。
ただ、賢い人間は、こちらの言っていることを理解すれば、反省も早いものです。
「そうか」の一言で、わかり合えることも少なくありません。
優秀な人間はどこに行っても受かります。
医学部に合格して、医師資格を獲得して、医者になるでしょう。
だからこそ、今のうちに是正すべきところは是正してほしいのです。
そして、そうすることによって理解したその〝心意気〟をずっと持ち続けてほしいのです。
そのために、私は頑張っているのです。
確かに、型破りな予備校はそうはありません。
経済原則とも相容れないし、競争社会を勝ち抜くという1点だけで判断すれば、無駄が多いかもしれません。
しかし、若者がよりよい医療業界を築き、よりよい日本社会を創り上げていってほしいと思う気持ちを捨てるわけにはいきません。