医学部受験について知る

まずは知っておくべき 医学部が「狭き門」と言われる理由

医学部は他の学部と比較しても、かなりの難関です。
私立大学であれ国立大学であれ、日本中を探しても、難関でない医学部はない、といっても過言ではありません。

倍率は、低いところで20倍、高いところでは60倍以上。
2015年度の帝京大学医学部の倍率は、92.8倍です。

医学部受験生に多浪が多いのも、思わず納得の数字でしょう。

医学部予備校の真っ当な合格率は20%以下

ではそのような難関医学部に受かるためには、どのような努力をすればよいのでしょうか。
パッと思いつくのは、医学部受験専門予備校に通うことでしょう。

ところがこの予備校には、恐ろしい落とし穴があります。

予備校に迎えた学生の中で、1年間で合格する可能性が高いのは、偏差値が最初から60を超えている学生です。
それでも安泰なのではなく、最低線。
このカテゴリーに入る学生はだいたい全体の6~7%といったところです。

次が偏差値55~59の間の学生ですが、彼らは頑張れば、1年で合格を手にできる可能性があります。
この範囲の学生も、全体のせいぜい10%程度しかいません。
つまり全体の16~17%、多く見積もっても2割程度しか、1年で医学部に合格する可能性はないということです。

それ以外の分布を見ると、偏差値50前後、いわゆる「普通の学生」が5割ほどを占めます。
そして偏差値45前後からそれ以下の学生が、全体の3割。
本人の資質や性格にもよりますが、このカテゴリーに属する学生が医学部に一発合格できる可能性は、極めて低いと言わざるを得ません。

つまり医学部専門予備校の合格率の実態は、よくて2割なのです。
ところがどの予備校も、合格率8割以上とうたっています。

そこには、数字のマジックがあるのです。

たとえば、15名の学生がいます。
そのうちの3人がそれぞれ5校ずつ受かれば、15校合格で100%とうたうわけです。
あるいは100%合格などと書いて、小さな字で、「○○クラスのケースなど」と但し書きをする場合もあります。
いずれにしても、ほとんどの予備校の合格率は、何らかの加工を経た数字なのです。

年々難化する医学部受験、下がり続ける合格率……

これらは、大学側の募集定員数と志願者数を見れば、検証可能です。

全国の大学の医学部が募集する人数は、国公私立合わせても9000名ほどです。
それがいかに狭き門かということは、他の学部の定員と比較すればわかります。
たとえば早稲田大学は、1校で、1学年約1万名を募集しています。

一方で、医学部受験の志願者数は、2014年度で14万人弱。
国立が約3万人強で、私立が11万人弱です。

医学部受験が難化の一途をたどっている要因となっているのが、志願者の増加です。
少子化が進み、一部の難関を除けば大学全入時代を迎えていますが、医学部だけは年々志願者が増え続けているのです。
そもそも定員が少ない上に、これまで以上に多くの志願者が殺到している――今、かつてないほど医学部合格のハードルは高くなっています。

募集定員に対して、志願者数がこれほどまでに多い。
現実的に考えてみれば、そんな状況下で、多くの予備校が高い合格率を維持することはあり得ないわけです。

合格のためには、最低でも偏差値65が必要

私立大学の医学部のほうが、国立大学の医学部に比べれば、数字の上からいえば合格しやすいことは間違いありません。

しかし、決して容易に合格できるわけではありません。
私立医学部の場合でも、偏差値は62~63が一般的です。
つまり合格のために、最低でも65は必要なのです。
国公立大学の場合は、さらに難しくなります。
最低でも70、欲をいえば75はほしいところです。

医学部合格のための最低ラインである、偏差値65。
それすら、大学受験全体のレベルから考えれば、とても高い基準です。

私がこれまで講師を務めてきたキャリアから考えれば、世間一般に優秀とされる偏差値60の受験生が1年間予備校で勉強を重ねても、実際に医学部に合格できる受験生はほんの一握りです。

ではなぜ予備校に通ったほうがいいのでしょうか?
答えは簡単。
そのほうが合理的な勉強ができるからです。
予備校にはそれぞれカリキュラムというものがあります。
そのカリキュラムによって、効率的に各教科を学ぶことができるわけです。
仲間がいて、切磋琢磨できるという理由もあります。
先生にいろいろと質問ができるのも、大きな理由のひとつです。

1カ月で医学部一発合格を手繰り寄せる勉強法とは?

以上で述べたように、医学部合格は極めて困難です。
そんなに大変なのに、1カ月で合格などできるはずがない……と思う人もいるでしょう。

もちろん、必ず合格できるなどと言うことはできません。
これまでどんな勉強をしてきたのか、今の偏差値はどのくらいなのか、直前模試の結果はどうなのか……といった、あなた自身の状況にも左右されるからです。

しかし、この段階でいまひとつ模試の成績が伸びず焦っているとしても、これまでにたとえば1年間自分なりに勉強してきた実績があるなら、決めの一手を伝授することが可能です。
最後の伸びしろを一気に開花させようというわけです。

5点、点数が上がれば、1000人抜きというのが平均的な数字です。

勉強法コラムでご紹介しているのは、5点どころか、おそらく20点から30点は点数を上げる方法です。

その勉強法は極めてシンプルで、学力的には誰にでも再現可能です。
また加えて、自己管理、根気、体力、規則正しい生活がより重要な要素となります。

実は学力以上に、心構えや生活習慣、そして集中力を管理していく必要があります。
すべてを網羅して初めて医師になる切符が手に入ることを、忘れないでください。

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