保護者向け

偏差値40でも1年で医学部に合格できる子の条件

医学部合格には、最低でも偏差値65が必要だと言いました。
しかし、偏差値40の子でも、1年で合格した例がないわけではありません。

ある一例を紹介すると、次のような状況でした。
・もともと高校に入学するまでは成績がかなりよかった
・ところが高校時代に部活に力を入れすぎてしまった
・人付き合いがよく、何でも楽しそうにやっていた

つまり、下地はできているが、高校時代に部活や人付き合いが楽しくなってしまい、勉強がおろそかになっていったというケースです。
引きこもりの逆で、たくさんの友達がいて、家にもやってくる、そうした明るい性格だというところがポイントです。

こうした場合には、可能性は十分にあります。
勉強を怠けていただけなので、やる気を取り戻せば大丈夫というわけです。

しかし、こうした例は稀です。
偏差値40の大半の学生は、中学校レベルの勉強ができていませんし、勉強する習慣もできていません。
そうなると、勉強以前で生活習慣や性格から改善していかないとダメなわけです。
そこが何とかならないことには、成績もよくはなりません。  

こうしたメカニズムをわからない親は依然として多いものです。
よく学校の先生の言う、「もともとできるのに、やる気になりさえすれば……」という常套句がありますが、これがまさしく学ぶ姿勢ができていないことを示しているわけです。

そこを理解せずに、「予備校に入れてお金を払ったのだから、当然、成績は右肩上がりによくなるはずだ」という一方的な考えは捨ててください。

1年で合格圏内に入れるかどうかには、通っている高校のランクもまたかかわってきます。
いわゆるトップクラスの進学校、また2番手クラスの進学校以外の学校の場合は、学校の成績が5段階として、平均で4以上であることが絶対条件です。
そこにいる子供たちで、学ぶ姿勢ができていて、本人の努力が見込めるのであれば、叩き上げることで、一年で合格する確率は上がります。
もっとも、それでも2割から3割でしょう。

平均が4に届かなければ、さらに確率は低くなります。
学ぶ姿勢ができていなければ、それも響きます。
姿勢づくりから始めなくてはならないので、時間は当然かかります。
高校で欠席が目立つ生徒も合格確率は減ります。
欠席日数が2桁あると、面接の際にその理由を追及されます。
成績が同列の場合は、明らかに不利です。

では、その上、いわゆる1番手、2番手と皆がわかっている進学校の場合は、その確率がぐっと上がるかというと、残念ながらそうではありません。
半分は無理です。
正直、4割がいいところです。
これは私の経験値ですが、実態に即しています。
しかもこの数字は、大学を選ばないことが前提です。

多くの予備校が合格率100%だ、8割だとうたっていることが、いかに嘘かということがわかると思います。
それは先にも示したように、数字のマジックにすぎないのです。

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