今回は、医学部受験における生物に関してアドバイスしたいと思います。
受験生物では、延べ2000個を超える用語を覚える必要があります。その中でも特に重要だとされる用語は約500個です。
まずは、最初の段階としてこの用語をどれくらいの短期間で覚えられるかという点がその後の考察問題や計算問題に時間を割くために必要となってきます。
この用語ですが、特に重要な500個は英単語のように繰り返し忘れながらも覚えなおす作業をしなくてはいけません。ただし、英単語よりも覚えるハードルは低いと思ってもいいと思います。
生物の場合には、単純に1対1の意味だけではなく前後のストーリーがあったり視覚的に絵と一緒に覚えることができます。
特に、上手く覚えられないという方には何かしらの資料集をお勧めしています。資料集の図と合わせて、覚えていく事で効率が上がります。
また、忘れてしまう用語には「ググる」という手もあります。ネットで検索する事によって、教科書には用語だけしか漠然としか書かれていなかったものも、実際にどのように機能しているのかや知らないだけで意外と身近に関係しているものもあります。
その後、計算問題と考察問題の特訓に入ります。
計算問題に関しては、「生物」で言うと正直ほとんどのパターンが決まっています。一通り学習していくと、ほとんどの計算問題はお決まりパターンだという事です。ですので、一度時間を使ってどのような仕組みで計算をしているのかがわかればあとはその計算問題の形、意図を覚えこむことで大半の問題は解けるかと思います。
考察問題は、2種類あります。1つは、教科書にも載っているような実験から出てくるパターンです。もう一つは、見たことが無いような実験を題材にした考察問題です。
前者の方は、問題集にも広く載っているような問題ですのである程度見たことがあると思った問題は、覚えてしまいましょう。どう覚えるかというと、何のための実験で、何をして、結果どうなったのかを覚えてしまいます。
すると考察問題を解く際に、非常にスムーズに、かつミスなく解くことができます。ある程度、実験結果と目的が分かってさえいれば、問題文が何を聞いてくるのかも予想がつきます。
そして2つ目の見たことのない考察問題ですが、これに関して読解力と推量する力が求められてきます。事前にこういった考察問題を解く際には、どのように対処するのか決めておくことが大切でしょう。(解答する順番を最後にするなども含みます)まずは、その実験やグラフなどを問題文に従って読みながら、要約をする癖をつけると良いでしょう。実験1では、何が言いたいのかを簡潔にまとめます。また、同時に仮説なども合わせて書き込むと良いです。
(例)タンパク質X→Aの抑制
(例2)タンパク質の分子量減少→終止コドン発生?
のようにまとめていきます。
こうする事によって、問題文の読み返しを少なくすることができます。考察問題で時間が無くなる生徒さんは、大半は話がうまく整理できずに何度も繰り返し読み直しています。
そして、もう一つ大切なことは難問になればなるほど当てはまりますが、必ず教科書レベルのテーマから外れないという事を意識してください。
考察問題は、考えれば考えるほど無限の可能性が広がっていってしまうように感じます。ですが、あくまで入試問題。基本的には、基礎的なテーマに沿って複な実験や説明が並んでいます。
難しい問題が解けなくて、解答を見た時に「え?こんな簡単なことだったの?」という事がよくありますが、それはこういったポイントがあるからです。
わからなくなった時こそ、基礎に立ち返りましょう。
逆に、深読みをして解答した場合には間違いを覚悟してください。
まだまだポイントはありますが、ざっと生物を見渡すとこのような形になっています。
以上のような認識で、もう一度自分の生物を見直してみてください。
医学部専門予備校 TMPS医学館 慈性幸佑