生活習慣の問題には、主に親が元凶という場合と、自分自身の問題、さらに男性、女性固有の特徴が含まれます。
今回は、それぞれを見ていきたいと思います。
親が元凶とは要するに〝過保護〟です。
特にお医者さんの家庭では、お金もあり、過保護になりやすいという面があります。
一番多いパターンは、子供に隙を見せない厳格な父親と過保護の母親という組み合わせです。
その結果、息子は父親と疎遠になり、大なり小なり男性の大人に対するコンプレックスを持ち、そして母親に頼るようになってしまいます。
こうした家庭で甘やかされて育った子供がどうなってしまうのか。
朝も起きられず、部屋も散らかしっぱなしで、とにかくだらしない。
約束も守らない。
親が望むから仕方なく医者を目指すものの、目的意識などなく、医者とはなんぞやという職業意識も希薄です。
中学生の頃から、勉強をするという習慣は皆無。頭の回転の善し悪しは別にして、偏差値は40台がいいところです。
嫌なことがあると、部屋から出てこない。
雨が降っても寒くても、暑くても出てこない。
下手をすると、すぐに引きこもってしまう。
それはちょっと誇張しすぎだろうと思うかもしれません。
しかし、これが現実なのです。
つまりは、過保護が生活破綻者を生み出してしまっているということです。
もう一つ別のタイプがあります。
それは自分をバリアで包んでしまうタイプです。
愛想がよく、常にニコニコしている。
挨拶もいい。
しかし、それはすべてポーズ。
本音を隠して生きているのです。
だから、最初は騙されてしまうのですが、しゃべっているうちに、「おや?」と思えてくる。
真実がつかめない。
何を考えているのかがわからないのです。
こちらのタイプの場合は、成績はそこそこで偏差値も50くらいはあります。
ただ、そこ止まり。
自分を変えようとは思わず、周りに自分がどう見られているかばかり気にしています。
つまりは、いい子に思われていたい、そのことだけに心を砕いているのです。
特に男子は、親に反発しながらも父親を畏怖したり、どこかに尊敬の念を持っていたりする場合がほとんどです。
だから、無意識に真似をしてしまう。
父親の愛想のよさ、言葉の巧みさ、上辺の嘘、処世術をいつの間にか身につけてしまう。
そして、その殻の中に閉じこもってしまいます。
最初は誰に対しても愛想がいい。
同じ学生に対してはもちろん、先生にも、職員にも愛想がいい。
だから疲れる。
きつくなるから、さっさと帰ってしまう。
欠点や嘘を指摘しようものならば、それこそ態度を一変させて血相を変える。
言葉づかいまでガラッと変わってしまいます。
要するに、〝キレる〟のです。
このタイプの子は、学校にいる間はそれなりに勉強をしますが、家ではやらず、多浪するケースが多いと言えるでしょう。
まずは、それぞれのタイプの課題を理解していただきたいと思います。