医学部予備校業界ではしばしば、契約内容不履行ではないかと思うような話を耳にすることがあります。
典型的なのはやはり、講師の質です。
予備校講師の質は、前述したように、それこそピンキリです。
カリスマ講師や神業の講師と呼んで間違いないような講師も確かにいます。
しかし、各校が看板にするそうした講師は、当然、多くはありません。
ですから、「入学すればこの先生に習える」という口上は嘘になる可能性が高いのです。
「一流講師陣体制」も、ほとんど嘘です。
一流講師が1人もいないとは言いませんが、若干名でしょう。
また、必ずしもその人に習えるとは限りません。
一流に習えなければ、後は二流です。
二流でもプロならまだましです。
実際にはアルバイトの大学院生か、ひどい場合は大学生が講師を務めることになるのです。
そういう予備校は、完全に営利主義です。
もちろん、そうしたケースでは時給も非常に安く収まっています。
やはり1000円ぐらいでしょうか。
それで生徒からは1万円は取ります。
利幅9000円です。
これは明らかな暴利です。
生徒の親が医学部専門予備校に払う金額は、前述したように、1年でだいたい400万円、ある医学部専門予備校では2000万円にもなることは、業界で知らない人はいません。
知らぬは(医者の)親ばかり。
だから、生徒が少数でも経営が成り立つのです。
仮に2000万円の生徒が10人いれば、それだけで2億円の売上になります。
ちなみに当校では平均400万円で、40人在籍してやっと1億6000万円です。
このくらいがちょうどいいのです。
すべての学生に目が届きます。
では講師の値段はいくらでしょうか。
もちろん、カリスマと呼ばれるほどの講師であれば、時給2万円で年収2000万円も取る人もいます。
しかし、繰り返しますが、そうした講師はほんの一握りです。
300人の講師がいたとして、10人もいません。
知っておくべきことは、ここなのです。
講師の値段はその価値と正比例しますから、本当に価値のある講師は、30分の1しかその学校に存在しないということです。
後は計算の問題です。
30時間の授業を受けるとして、その中に、そうした講師の授業が1時間あるかどうかなわけです。
商売としては、講師の値段は当然、安いほうがいい。
どんな講師であっても、生徒から取る金額は同じだからです。
大学院生や大学生の講師が増える理由もそこにあります。
しかしながら、本当に時給の高いトップ講師ばかりを揃えているTMPS医学館は、どうしても授業料が高額になってしまいます。
こういったレベルの高い講師をそろえた医学部予備校を見つけるには、実際に御両親が訪問し、授業の質の差を体感するほかありません。