超高齢社会となった日本。
ますます医療が求められる時代に必要な医者とは、どのような医者でしょうか。
人の命を預かる大事な仕事ですから、それなりの報酬は当然と思います。
しかし、それとは別に、超高齢社会の中で、チーム医療を重視し、治療だけでなく、地域に密着した予防医療にも力を入れる。
そのような目的意識の高い医者が、本来の医者として求められているのだと私は思います。
現在の医療費の増大は何とか止めなければいけないのは確かでしょう。
しかし、儲かるから医者になるという精神構造も変えていかなくてはいけないのです。
ところが、医学部専門予備校には、正直、拝金主義が横行しています。
口八丁、手八丁でお金を釣り上げる。
そんな文化が根付いています。
彼らが狙うのは、やはり拝金主義にまみれた医者たちです。
何が何でも息子や娘を医者にして、自分の病院や医院の後を継がせる。
そのためには、お金がいくらかかってもいい。
そうした〝医者〟の子供を私は正直、医者にしたくはありません。
こんなことを言えば、私の経営には多分、マイナスでしょう。
しかし、これだけは言わないわけにはいかないのです。
青臭かろうとも、いかに〝正義の医者〟を育てられるか。
患者を慮る医者を育てられるか。
そこが最も大切なことだと思っています。
予備校に通ってくる子供たちを見ていても、本音を言えば、別に医者になどなりたくない。
父親がうるさいから仕方なくなるだけ。
そう考えている子供たちがあまりにも多いと考えています。
本当は、そうした〝お客様〟よりも、本当に医者になりたいと思っている、医者という存在、その職業意識が芽生えている子供たちを応援するのが予備校の役目だと思っています。