予備校のうたう”合格率”を信じてはいけない理由や「一流講師陣」という触れ込みの裏にあるリアルのコラムをご覧いただけた方は、予備校によって、その質にバラつきがあることを理解していただけたことと思います。
では、実際に何を基準にして予備校を選べばいいのでしょうか?
ここではまず、ベテランの講師と未成熟講師との差はどこにあるかを説明しましょう。
なぜそうした話をするかといえば、予備校を決める前に、まずは見学を申し出てほしいからです。
授業を見学すれば、いろいろなことが見えてきます。
その時の参考にしてほしいのです。
未成熟講師は、参考書の内容をうまく教えるのがやっとです。
最初のうちはそれですら、当然、たどたどしく、自信がないですから、生徒に質問されて間違った答えを言ってしまった時など、強引に自分が正しいと押し付けることがよくあります。
優秀な生徒だと、「あの先生、間違ったことを言っている」と公然としゃべります。
そんな時に調べてみると、やはり若い講師が多いのです。
しかし、いくら参考書や教科書をしっかり教えてみても、それだけで医学部に受かるのは無理だということは、ここまでにも説明してきたとおりです。
参考書はどの出版社のものを買ってもほとんど「右へ倣え」で同じような説明しか書いていません。
なぜならば、余計なことを書くと、すぐに偏っているとみなされて、自称学者からクレームがくるからです。
そのため、参考書を作成する先生方は問題が起こらないように、現在出版されているいろいろな既存の参考書を見ながら書くために、今の参考書は無難な内容で皆同じなわけです。
こうした講師に比べて、講師も経験値が上がってくると、大学がどういう問題を出すかがわかってきます。
自分たちがそういう問題を作れるわけですから、その傾向もわかるわけです。
その差がどれほどのものかわかると思います。
合格率などというまやかしの数字にこだわるのではなく、契約する前に、自分の目でしっかりと講師の質を見極めるべきなのです。
そのためには逆面接をすればいい。
授業はぜひとも見学させてもらうべきです。
それで真剣に耳を傾けてください。
本当にそれが価値ある授業なのかを考えてみてください。
間違えない道は、それしかないのです。
後は、実際にどの先生に教えてもらえるのかをしっかりと聞き出すことです。
それと、自分の子供の場合、実際にいくらぐらいの金額が必要になるのか、一般的にはこれくらいとか、普通ですとこれくらいとかではダメです。
どれだけの授業を受けさせるつもりなのかをきちんと聞き出して、それから判断して総額を出してもらうべきなのです。
どこを見ても「一流講師陣が……」と書いてあるのに、実際に子供が授業を受けたら、えらく若い講師(私の30年の経験だと40歳前はダメ)が出てきてエラそうに、先生気取りしていたら本当に笑い話でしょう。