予備校や大学などの教師を合わせて35年の間、私は教壇に立っています。
予備校は大手予備校でも、医学部予備校でも教えてきました。
その経験からつくづく思っているのは、多くの学生の勉強方法が間違っているということです。
その最大の理由は、教師や、とくに予備校の講師の教え方が間違っているという点です。
ここでは、君たち受験生に問題提起したいと思います。
予備校は、受験生を大学に合格させるために存在しています。
その結果はどうでしょうか。
非常におかしな話になっています。
医学部合格者の内訳を見てほしいのです。
その半分が現役で、半分が浪人です。
この比率について、私はずっとおかしいと感じています。
なぜかといえば、高校生活は勉強以外のことでも忙しいものだからです。
部活もあれば、さまざまな学校行事もある。
3年生になれば受験生だと言っても、総じてさまざまな付き合いもあって、学生生活を良くも悪くもエンジョイしています。
つまりは誘惑も多く、また実際に受験勉強以外のことに時間を取られてしまう。
そうした現役の学生と、朝から晩まで勉強をしていい、実際にしているはずの浪人生との合格者数が半々というのはおかしくないだろうかと思うわけです。
これまで多くの浪人生の勉強を見てきました。
もちろん、不真面目な学生もいますが、大半はまあまあ勉強をしています。
だから、浪人生たちの様子を見ていれば、浪人生のほうが合格者全体の3分の2、もしくは4分の3くらいまで占めていてもいいはずなのです。
そう書けば、君たちは「大学が浪人を嫌い、現役を取ろうとするから」などと考えるかもしれません。
一部、そういう大学も確かにあるようです。
しかし成績の良い浪人生を入れないで、あえて成績の悪い現役生を入れるはずもありません。
ギリギリのラインであれば、そうした斟酌(しんしゃく)もあり得るというレベルでしょう。
世間にはこんな意見もあります。
浪人生は年を取るに従って記憶力が減退してくるから能率が悪くなるというのです。
それも何か妙でしょう?
そんなに高齢なわけでもないし、自分の経験に照らすと、その説は説得力に欠けます。
問題なのは、間違った勉強法が横行していることなのです。
そうした勉強法の間違った常識が、何年浪人しても受からない受験生を増やしているのです。
多浪生の多くは、独りよがりになります。
頑固で、それこそこちらの言うことを聞かないか、もしくは諦めてしまっています。
諦めずに正しい勉強を行えば、私の知る限り、46歳の主婦でも医学部に合格できていますし、35歳のNPO法人の男性、50歳の弁護士なども合格しているのです。
正しい勉強については、勉強法コラムを参照してください。