せっかく予備校に通うのであれば、すばらしい講師から教えをうけてほしいと思います。
そのためにまずは、今回紹介する「習ってはいけない講師」の見分け方を知ってください。
ダメ講師の共通点①二度質問しても答えがわからないのはダメ講師
多くのダメ講師は、”教え方マニュアル”がないと教えることもできません。
以前、大手予備校の教科書を作成したことがありました。
納入の数日後に教務課から電話があって、「答えが書かれた裏マニュアルがないのですが」と言うのです。
私は「え? 先生方は自分で解けるでしょう? お宅の予備校ではまさか解けない先生を雇っているのですか?」と聞いたのです。
すると「いや、そんなことはないです」と答えるので、「そうですよね。普通の入試問題を組み合わせて作ったテキストなので、解答集はいらないでしょう」と言って断ると、「それだとこの教科書も使えない」と言いだすのです。
それが普通なのだとその時に知りました。
どこに行っても、この裏マニュアルというものが存在します。
だから、決まりきった授業しかできないのです。
違う質問には答えられない、あやふやな答え方をするといったことはしょっちゅうです。
ところが生徒のほうは、回答の意味がわからないことを講師ではなく自分のせいにしてくれるのです。
「あの先生、頭がいいから、僕みたいなバカにはわからない」というわけです。
親も、先生が悪いとは思わず、自分の息子や娘が悪いと思うものです。
しかし、これは大きな間違いです。
しっかりと勉強して、その問題、分野を理解している先生が語ることは実は誰が聞いてもわかりやすいものなのです。
あやふやな人間がごまかしながら説明するから、聞いていてわからないのです。
あるいはやたら専門用語を使って難しく答えます。
これは、やはりわかっていないからごまかしているか、あるいは、わかってはいるけれど人に教えることに不向きな研究者タイプかのどちらかです。
いずれにしても、生徒がわからないのは、ほとんどの場合は先生のせいなのです。
この問題には簡単な解決方法があります。
「2回聞いてそれでも理解できなかったら、その先生には習うな」というものです。
私はどこの予備校に呼ばれても、必ず生徒たちにこう言います。
「先生に一度聞いてわからなかったら、もう一度同じ質問をしてみてごらん。それでもわからなければ、その先生はやめたほうがいい。その場合は、君ではなく、先生がわかっていないからだ」と。
わかっている先生は、一度目の答えで理解が得られなければ、そこで答え方を変えてくるはずです。
わかっていない先生は、そうしたくてもできません。
誰かにそれを説明するとなると、自分がしっかりと理解していないと、うまくは説明できないのです。
その違いが大きいのです。
ダメ講師の共通点②楽な道ばかり教える
また、ダメな講師は平気で大胆なことを言います。
しかも、それがいつも楽な方法なのです。
「単語は覚えなくていい」「この問題はやらなくていい」、さらには「僕の授業さえ受けていれば大丈夫」。
受験にテクニックはありますが、楽に済む方法などは絶対にありません。
英単語だってちゃんと何千個も覚える。
そうやってコツコツとしっかりやった人にこそ、勝利の女神は微笑むものです。
そのことの大切さをきちんと伝えてくれる人のほうが信用できるはずです。
予備校を選ぶのではなく、この先生なら師事してもいいと思える人間、それこそ「師」を探してほしいと思います。
自然とパワーを感じる、感銘を受ける、何となく「ついていってもいいかな」と思う相手です。
生徒自身が選ぶのが一番ですが、まだ先生を見分ける力がなければ、親子一緒に選ぶべきです。
少なくとも大人である親が見て、聞いて、「すごいな」と感じる先生を必死になって探すべきでしょう。
親の真剣さは必ず子供に伝わるからです。
さらに言えば、教科ごとに予備校を変えるという裏ワザもあります。
当校にも、他の予備校にも通っている生徒がいます。
それは咎めませんが、他校では、嫌がるのが普通だと思います。
しかし、そのほうがいいと思ったのであれば、それは頼んでみるべきです。
それを許す予備校であれば、いろいろと信頼できそうだとわかります。