毎年寄せられる相談の中に、物理と生物のどちらを選択すべきでしょうかというものがあります。とりわけ多いのが、物理が上手くいかないので生物に変えた方が良いと思うのですがどうですか?といった質問です。
多くの方が、物理の成績が伸びず生物に変えた方が良いので?と思ってのご相談かと思います。
結論から言うと、今の置かれている状況と成績によって異なると言えます。
はじめに双方の良い点と悪い点を挙げていきたいと思います。
生物は、ご存じの通り暗記する内容が非常に多いです。習得までには時間を必要とします。具体的にどれくらいの時間を必要とするかですが、どこかしらの医学部合格を目標とし全くのゼロスタートの場合、早くても1年は必要です。
それも、他の教科がある程度できていているという前提です。英語、数学においては河合塾の模試ベースで偏差値58~60くらいはほしいところです。
また科目の特性として100点は、狙いにくい科目です。問題の中には、全く知らない考察問題が入ってくる事があったり、記述表現を求められるケースも多いので100点を取るには物理よりも不安定になりやすいと言えます。
考察問題をはじめ、国語的な読解力が求められるケースがあるため将来的に難関大学を突破するためにはそれ相応の読んで理解する力が他教科よりも求められます。
良い点としては、物理のような伸び悩みはあるラインまでは無いといってもいいです。必要な単語を覚えていけば、自動的に得点にはなるので何をすればいいのかは明白です。そういった意味では、勉強の仕方に悩む必要はなく覚える時間さえとってしまえば確実に成績が上がっていくと言えます。
物理は、もともと自然現象と数式を結びつけるような学問なので、現象のイメージや理解が非常に大切です。そのイメージがつかないと、いつまでたっても思うように得点が伸びず、やってもやっても上手くいかないという負のスパイラルに陥りがちな科目です。
また、数学的な側面を持ち合わせる科目なので数学があまり好きではないといった場合はやはり相性があまり良くない傾向にあります。得点の仕方に関しても、生物とは異なり些細なミスで大問をまるまる1つ落としてしまうような事が起きます。テストなどで、勉強している割に得点が壊滅してしまったり生物のほうが得点をとれるんじゃないかといった場合には、このような事にも一因があります。
良い点は、上手くいくと高得点を取りやすい科目であるという事です。実際の入試であっても100点を取れる可能性が十分にあります。仮に全く同じ難易度の問題で生物と物理のテストを行った場合には、物理受験者の方が100点近い点数を出す受験生が多い科目と言えます。その点で、物理有利です。
また、覚える絶対量が生物に比べ圧倒的に少ないというアドバンテージがあります。時間のない現役生で物理が取り上げられる大きな要因の一つと言えますが、効率よく学習できる場合には短期間で成績UPが期待できます。
まとめると。
あまり数的処理が得意ではない、物理で伸びる気がしない、勉強時間は確保できる、暗記が得意、比較的国語は得意という場合は生物選択を。
数的処理が得意、数学が好き、どちらかというと効率がいい方だ、短期間で集中して得点を上げたい、暗記が苦手、時間がないという場合は物理選択をお勧めします。
物理から生物の切り替えを考えている場合には、受験まで残り1年あるか、英語、数学がある程度できているか、物理の得点に結びつかないのがどのポイントなのか、自分の性格などを考慮して決めると良いでしょう。
医学部受験予備校 TMPS医学館 慈性 幸佑